赤土問題に対する対策は既に農地などで取り組まれています。
例えば、サトウキビ畑で赤土が露天している部分に雨が直接当たることを防ぐために、刈り取った葉を地面に敷く取り組みがあります。

（写真：サトウキビ畑・草を敷く）

斜面にサトウキビ畑があることも多いのですが、傾斜にそって雨が流れる勢いが増してしまい、赤土が流出しやすくなってしまいます。
それを防止するために、石積みを作って平にしている場所もあったり、畑の外に流れていかないように板で囲いを作っているところもありました。

（写真：サトウキビ畑・斜面を平に）

他にもサトウキビの刈り取り方の工夫も。
斜面に対して、横に刈り取っていくことで雨が降っても水の流れる勢いを抑えられるそうです。

そして、沈澱池という、赤土が海に流れ出る前に赤土を沈ませて汲み取るためのため池のようなものもあります。

（写真：沈澱池）

サトウキビ畑に関連するものだけでもこれほど多くの対策がなされていますが、現在も赤土は流出し続けてしまっています。
こういった対策を取り入れている農家さんも増えていますが、まだまだ一部の農家さんのみ。
対策を取り入れる農家さんにメリットがあるような仕組みづくりや、問題の周知が必要なのではないかと感じました。

また、沈澱池も作られたものの、定期的に溜まった赤土を汲み取る作業が必要ですが、現在は放置されているとのことでした。

今回は、「赤土問題」の中でも「サトウキビ畑」を中心にお話ししましたが、数多くあるサンゴ減少の原因の一つに過ぎません。

赤土以外にも、海水温度の上昇などサンゴの白化現象・死滅の原因は複数あります。
地域で赤土流出や、観光・開発による損傷の削減に取り組むとともに、一部の人たちに任せるのではなく、地域全体で継続できるシステムづくりにも取り組む必要があり、海水温度の上昇などには地球規模で対策をしていく必要があると思います。そのためには、まず今どんな問題が起きているのかをその地域の人だけでなく、その土地を訪れた観光客など、より多くの人が課題を知り、向き合っていくことが大切だと思います。

私たち一人一人が、自然環境を大切にする気持ちを持ち、できることから進めていくことが大切だと感じます。まずは自分で気になった環境問題について「調べる」ことから始めてみると、学んでいく中でできることが増えていくのではないでしょうか。

次回は久米島旅の総集編として、スタディツアー以外での素敵な出会いも交えながらお伝えしたいと思います♪